リバース第8話

6月2日
リバース8話
 
 
 
・美穂子が告発文の犯人で、深瀬だけではなく、谷原、村井、浅見にも近づき、さも復讐劇かのように描かれた衝撃的な終わり方をした7話。8話はその直後のシーンから。深瀬が美穂子に電話をしてる。
 
・古川くんと連絡先交換してた深瀬のコミュ力。松永くんとも連絡取り合ってるし、ちゃんと交換してたんだね。古川くんに確認すると、やはり河部さんは広沢の彼女だった。
 
・浅見は3回忌の後に、広沢のことを教えてくれた電話があった。それが美穂子だった。教師3年目の浅見先生がまだ若くてかわいい。22歳、25歳、32歳、それぞれの浅見康介をビジュアルでも演じ分けられている。浅見だけ美穂子に会っていない。
 
・深瀬の彼女が美穂子だったと知った時の谷原、浅見、村井のリアクションがかわいい。浅見、お口ポカーンで、スマホ落っことしてらのかわいい。よく行く店で偶然知り合ったと思ってたのに、違った。と話す深瀬がかわいそう。割と淡々と話すのが、まだ自体を受け入れられてない、信じられないような。谷原「あさみんが言ってたよ、深瀬は今の彼女にベタ惚れで、彼女 オア ダイ みたいな。」浅見「そんな言い方してないよ。」谷原と浅見のコンビわちゃわちゃ感が好き。谷原に言ったじゃん!みたいにリアクションされて、言ってないよ!って口パクで言ってるのとか。浅見もちょっと過剰表現しちゃう谷原を窘める感じがまた良き。もしかしたら本当に言ってたのかもしれないけど、傷ついてる深瀬の前では言っちゃダメだと思ってる優しさ。。谷原の茶化してるようなノリを一蹴するあさみん。ナイスコンビ。。一方村井は村井で鋭い質問。村井「な、なぁ、ね、寝たんだよな?」絶妙な間…!!沈黙!!そして、コクリと頷く深瀬を見る3人のリアクション。谷原ちょっと哀しそう、浅見あちゃーーと顔を背ける、村井聞いちゃダメだったみたいな気まずさ。泣きそうな深瀬かわいそうかわいい。そんな同情するかのようなみんなのリアクションを見て、深瀬「わかってる。いいよわかってるよ。俺だってもっとモテてたらこんな簡単に騙されない。簡単に騙される俺が悪いんだよ。俺なんなかさぁ、女がいない国に永住しちゃえばいいんだ。羊飼いにでもなって、一生山の奥で…」机に突っ伏す深瀬のかわいそうかわいさ…!思い詰める深瀬を必死でフォローする谷原を いい奴!この4人のシーン、深瀬かわいそうなんだけど、なんでこんなにかわいいんだろう涙
 
・深瀬と付き合う美穂子の目的は復讐ならなぜ深瀬と付き合うのかという疑問に、精神攻撃?情報目当て?と答えを導く3人。これがそのまま視聴者の視点にも。ホントに俺たちのことを恨んでる、怒ってるんだよと美穂子の気持ちを考える深瀬に、ますます怪しみが増す美穂子。
 
・河部ちゃんを見つけて話し合おうと提案する谷原に、「深瀬は?どうしたい?」と1番傷ついているであろう深瀬の気持ちを1番に尊重しようとする浅見優しい。どうしたい?と自主性を引き出す聞き方って、とても教師っぽい。深瀬も美穂子と話し合いたいと。浅見「10年前のこと全部わかったら、広沢の両親にも全部打ち明けて、謝ろうって言ってる。」ひた隠しにしてきた10年前の事実を全て明かし、ごまかし続けることを辞め、正直に話すことで、新たな一歩を踏み出そうとしている4人。
 
・でも村井だけはまだ何かを隠したまま。爆発した車から逃げていく人影は村井だったのか。口を開こうとしない村井。
 
・谷原があさみん呼びしたり、浅見がナチュラルにカワベちゃん呼びしたりするのって、それだけ2人の仲が良いって捉え方はできないかな?谷原と浅見は、2人で飲みに行ったりしていたし、よく連絡も取り合っていたみたいだし、秘密の共有もしていたりで、この4人の中でもまた仲の良い2人だったのでは。だからこそ、浅見の相性を親しげに呼んだり、谷原のカワベちゃん呼びが浅見にもうつってしまったとか。もともとカワベちゃん呼びしてたから、カワベちゃん呼びが無意識に出てしまったとは、慎重な浅見がそんなことするとは思えなかったり。
 
・美穂子が持っていた本の後ろに、浅見の名前。しかも、7話最後の効果音と同じ。映像で不穏な空気を感じさせるの本当に上手い。突然の浅見の名前が、かなり衝撃的だった。なぜ、浅見の名前の書かれた本を美穂子が持っているのか?浅見に何をするつもりなのか?浅見が狙われる演出が巧み。地面の水に反射する美穂子の演出が、美穂子の裏の顔を彷彿とさせて、さらに怪しさを際立たせる。
 
・深瀬「資格も取り柄もないけど、30過ぎて泣き言も言ってられないよ。」
谷原「あいつ意外とメンタルつえぇな。」
浅見「どうなるんだろうな俺ら。深瀬が言ってたよ。過去に何かをうやむやにすると、人生うまくいかなくなった時、その報いだと感じるって。谷原も頑張れ。」
谷原「ついでみたいに言うなよ。」
前向きな深瀬にちょっと驚く谷原。深瀬は本当に強くなった。でも、浅見はその強い深瀬を知っているから、驚かずに、前を向こうと必死な深瀬を優しく見守ってるよう。浅見優しい。浅見康介は全く玉森裕太を感じさせない、すごく作り込まれていると思うんだけど、こういう優しさにふと玉森くんらしさを感じたりする。でもそれは玉森裕太に似てるという客観的な見方で、玉森裕太だそのものだと断定するものではなくて…。ちょっとなんて言ったらいいかわかんないけど。
 
・小笠原の調べた情報。てんとう虫のキーホルダーは、大量生産品ではなく、長野のNPO法人が作った限定品。創立30周年を記念して100個程度作ったもの。
 
・再就職がなかなか難しいという話で、小笠原と深瀬はどこか親近感を感じたのかな。こうやって身の上話までする中になって、仲が深まってる。小笠原「やっぱり話し相手はいた方がいいな。10年前は俺もベテラン刑事だったからな。1人で解決できると自惚れていたが、あの時に話し相手がいたら、こうはならなかったと思うよ。」小笠原から語られる自分自身への後悔。小笠原「なぁ深瀬くん。君は頑張ってる。俺はそう思うよ。お互いにもうちょっとだ。まぁ頑張ろうや。」深瀬を理解して励ます小笠原。こういう関係を築くまでになったんだね。
 
・相良達が校長に、担任は森下先生のままでいい、浅見先生だと落ち着いて授業が受けられない、浅見が担任に戻るなら授業に出ないと抗議。人殺しと言われている教師の授業は受けられないと。相良にキレそうだし、浅見先生がかわいそうすぎて。。こんなのただのイタズラですよねと聞かれ、すぐに否定できない浅見。強張る表情。人殺しの紙を見る浅見の表情の曇り方。自分の発言を省みてるんだよね。でもそれを見透す相良。愛媛で浅見は「この教師は偽物だって本能的に見抜くんだ」と話していたけど、こういうことなんだね。そして浅見自身もずっとこのことが引っかかってる。追い討ちをかけるように「本当にそうなんですか?僕たち春の大会出るの諦めました。先生もハッキリしてください。」詰め寄る相良、目を合わせずに俯く浅見。相良「自分のことだけうやむやにしないでください。」この相良の発言で、ようやく目を合わせる浅見。瞬きをして、わずかに頷くようなお芝居。表情も微妙に変化させてて、それまでの俯いて考え込んでいた表情から、相良の言葉に反応して、表情が弱々しくなって、相良の言葉を受け入れるようにわずかに頷いて覚悟を決めた表情。「わかった。誰がどんな理由で貼ったのかはっきりしたら、必ず説明する。」浅見の覚悟。視線を斜め下にそらし、考え込む浅見。人殺しの紙が風に吹かれて机から落ちるカット。深瀬の家のシーンの回想。「河部ちゃんがこれで諦めると思えないな。」「止めなきゃきゃいけないんだよ、次のことが起こる前に。」何かを決めたように哀しそうに視線を上げる浅見。浅見は何を思ったの?何を決意したの?生徒に、罪は罪、うやむやにしたらロクなことにならないと言ってきたけど、ごまかしている自分と向き合わなければ言う資格がないと思った?でもそうして向き合ったことで教師に終止符を打とうなんて思ってないよね?そうして向き合うことで、また新たなスタートを切ってほしいよ浅見…。
 
・この時の思い悩む表情の繊細なお芝居…。微妙に変化させて心情を表現する浅見の表情すごい。視線でお芝居。本当に視線で心情を表すの上手くなった。とってもナチュラル。リバースはずっとそうだったけど、改めてこんなに視線だけで語るお芝居ができるんだね。細やかな表情を変化が本当に上手くて、さらにそれがめちゃくちゃ美しいんだ。
 
・罪はごまかしても罪と言い続けてきた浅見。本能的に見抜くんだと悟っていた浅見だけど、相良はこの言葉に執着する浅見が過去に何かあったと見透かしている、見抜いているのかな。本能的に。相良も罪をごまかしていたけど、浅見もごまかしたまま。相良だけでなく、浅見もごまかしたままの罪と向き合って言うことで、お互いにわかり合えるのかな。そして、相良と自分自身どちらもごまかさずに正直に話すことで、本当の意味での赦しに繋がっていくのかな。
 
・何も言わずに考え込んでる校長もこわい。。相良達を大会出場停止の最終決定をしたのも校長だし、校長の権限、。
 
・下を向いて、暗い表情の梶田くん。相良のシーンでいつも印象的に差し込まれてる。きっと梶田くんが何かのきっかけになってくれるはず。。
 
・谷原家の食事のシーン。夕飯の準備をしてるのにお肉買ってきて、にーくにっくにっく♪って谷原かわいいんだけど、もうご飯作ってあるんだけど!?な明日香ちゃんの気持ちわかりすぎて…w
 
・あんまりいい思い出がないのに焼肉を買ってきて、景気付けにする谷原がとても愛おしい。男の子でお肉も好きそうだし、10年前の別荘で焼肉してた時も、あんなに楽しそうにもりもり食べてた谷原だけど、32歳の今、焼肉があまり好きじゃないのは、広沢と最後に食べたのが焼肉だったからなんだろうね。谷原は谷原なりに、心に傷を負ってたんだなっていうのがわかった。
 
・谷原「明日からお仕事に行こうと思います。」って心配かけた明日香に安心させるかのように宣言してる谷原も愛おしい。ななみんのかわいらしさが絶妙なスパイス。明日香も谷原が悩んでいたのを察して、会社嫌なら無理していかなくていい、私が働くからって言い出すのもぐっとくる。明日香「ヤスくんが1人で私と七海を私を守るんじゃなくて、ヤスくんと私と2人で一緒に七海守るの。」って強い意志を示して言い切るの、明日香が母親としても妻としても強くなったのがわかる。谷原もそんな明日香の気持ちが嬉しかったんだね。「心配すんなって。心配かけてごめんな」ってお肉を明日香にあげるの泣ける。。このシーン、Nのためにで希美ちゃんが作り置きのトラウマを克服して、野ばら荘のお爺ちゃんと一緒にタッパーのご飯を食べるシーンが心に残っていたんだけど、このシーンを思い出した。食べるシーンと感動的なシーンが抜群に相乗効果を発揮してる。塚原監督もNのためにのインタビューの時に、「食べるシーンが心に残るというか、大事にしていますね。エネルギーを摂取するって、いろんな意味があるじゃないですか。食べ方ひとつとっても、どのタイミングで食べるかとか、難しいと思うんですけど、(略)人の泣き笑いの瞬間に、うまくご飯を絡ませられたシーンが印象に残っていますね。」と話されていて、リバースもまさにこの演出がとても活きてる。10年前の焼肉のシーンもまさにだよね。泣き笑いの瞬間。素敵だ。
 
・谷原「もし誰かの恨みを買ってこんなことになったなら、その人に謝んなきゃ。でも、実際は何がどうなってんだか。深瀬はほとんど何も見てないし、俺も自分が見たことしか知らない。浅見も。明日香もだよね?」
谷原のこの言葉、本当にそうなんだよね。浅見も谷原も隠してはいたけど、自分が見たことはちゃんと明らかにしていて、嘘はついていない。でも、隠していた事実が複雑に絡まり合って誤解を生んだり、疑い合わせたり。歯車が狂ってしまったみたいに。
  
・10年前の村井の行動が気になる明日香。谷原も前に進んだり、自分の見たことしか知らないと話す谷原に、明日香自身も自分の見たことを明らかにして前に進まなきゃって思ったのかな。そして、恨みを買って谷原が狙われているとしたら安心できないと鋭い眼差し。本当に強くなった。その本気で、ずっと聞き出せなかった真相を村井から聞き出せた。
 
・村井「広沢、酒飲んでたんだ。なのに…。」
明日香「迎えに来させたんだ…」
(オレンジジュースの入ったグラスが床に落ちて割れるカットからリバース映像)
村井「知らなかったんだ、酒飲んでたなんて。でも、俺があんなに強く迎えに来いなんて言わなかったら。」
村井は村井であの時明日香が寒そうにしていたし、早くあたたかいところに連れて行ってやりたい優しいお兄ちゃんだったんだけどね。やっぱりうまく歯車が噛み合わなかったよね。。あの時もし、すぐにタクシーがつかまっていたら、あの時もし…が多すぎる。
 
・タクシーから降りて電話していた相手は浅見だった。谷原から連絡もらって、浅見はすぐに村井に連絡してたんだね。浅見「あいつ酒飲んでたんだ!俺が広沢に、それでも行けって言ったんだよ!っはぁっはぁっ…」浅見の泣きそうになりながらの悲痛な叫び……。この台詞1話の冒頭に入っていて、雪の中を歩く浅見の映像だけでどんなシチュエーションだったのか全くわからなくてずっと気になっていたんだけど、8話でようやく明らかになった。村井に連絡していた時の浅見だったんだね。お酒飲んでたことも、運転初心者なのも、飲んだら眠くなるって言ってたことも知っていて、それでも、何があってもなりたかった教師になるために、「広沢、行ってくれる?」と言ってしまった。完全に気が動転していて、後悔ばかりが前に出て、自分への苛立ちもあって、どうしていいのかわからない悲痛な叫び。泣きそうになりながら叫んで、どうにか息をしてるようなお芝居、何度観ても泣く。。この浅見だけで泣く。。 
 
・浅見から電話を受けて事故現場を見つけた村井。村井も気が動転していて、とりあえず父親に連絡。火をつけろと言い放つ村井父の下衆さ。。でも、村井は広沢を助けようとしていたんだね。「広沢…助けなきゃ…」って泣きそうな村井にまた泣きそう。。見捨てろと極悪非道な父親に対して、「できるわけないだろー!!」と叫ぶ村井。この台詞も、1話の冒頭に台詞だけ入っててどんなシチュエーションなんだろうって気になってたんだけど、広沢を見捨てられるわけないって父親に叫んだ台詞だったんだね。どうりで熱がこもってたわけだ。普通じゃないシーンだなと思ってたけど、本当にそうだった。村井が助けに行こうとすると車は自然に爆発。。泣き崩れる村井ツライ。。村井も広沢のことを思ってたんだよね。。明日香の相手、広沢ならいいかって思ってたぐらいだもんね。。
 
・現代に戻って、兄の告白を聴いて泣きながら兄を責める明日香。村井も泣いてる。。村井兄弟苦しくて悲しい。。最低…と呆れて、やるせない気持ちを兄にぶつける明日香つらい。。「ヤバイと思ってごまかそうとしたんでしょ!」って兄を押して気持ちをぶつける明日香。もうどうしたって過去は戻らない。広沢は戻ってこない。「お兄ちゃんもお父さんと最低!」と絞り出す明日香。。このお芝居すごい。これで私は一気に麦ちゃん好きになった。
 
・村井は、迎えに来い!って強く言ってしまったこと、事故現場を見つけたのに助けられなかったことを後悔してるんだね。
 
・朝比奈家に香織に会いにいく村井。香織は香香織で、姉達と比べられたり、村井に必要とされなくて苦しかったり、悩みを抱えていたんだね。香織にもちゃんと言い分はあった。村井と分かり合えなくて寂しかったんだろうな。
 
・「よし。パパ頑張れ」と自分に言い聞かせて、イキイキと仕事場の工場に向かう谷原愛おしい。
 
・美穂子の母親に電話する深瀬。母親はこの電話だけで、きっと美穂子が話していた相手は深瀬だって気づいたね。そして、電話だけで美穂子が話していた通りの人だと嬉しそう。「まだやり残したことがあるって言うてました。まだ会えてない人がおるって。」意味深な母親の言葉と何かを決意したような表情で歩く訳ありげな美穂子。。
 
・空港で優しさ発揮してる間に美穂子とすれ違っちゃう深瀬がどこまでも深瀬。
 
・浅見の寮で、浅見を待ち構えている美穂子。後をつけて階段で浅見に手を伸ばす……!この時の美穂子の表情は完全に突き落としそうな勢いだったけど、CM開けの表情は、話しかけようと肩ポンするぐらいの表情で、本当に演出と編集、そして恵梨香ちゃんのお芝居に唸った。深瀬が素晴らしいタイミングで腕を掴んで止めたけど、美穂子は広沢の遺品の本を浅見に返そうとしていただけだったね。
 
・ところで浅見は誰に電話してた?「もしもし?うん、もう今駅の方向かってるから。」って、タメ語で優しい声で自分の状況話してたけど、誰かと待ち合わせだよね??浅見は深瀬や谷原、村井と違って、高校関係ばかりでプラベがほとんど描かれていないし、こんなにハイスペック男子なのに彼女がいないのおかしいなと思ってるんだけど、彼女いるの浅見…。違った方向でドキドキする。「うん。いいよ。」って話してるのもめちゃくちゃナチュラルできゅんきゅんするけど、こんな声で話すのって相手は彼女っぽい…。
 
宮本武蔵の本、浅見が広沢に貸していた本をだということがわかったけど、本に名前書いちゃう浅見、性格表れすぎてて、キャラブレゼロでかわいい愛しい。自分の持ち物には名前ちゃんと書く真面目で几帳面なあさみん。。
 
・クローバーコーヒーで話をする深瀬と美穂子。告発文を送ったのは美穂子だと確かめる深瀬。ちょっと溜めて、心を決めたように頷く美穂子切ない。。美穂子は広沢との出会いや付き合ったきっかけを話し出す。広沢から告白して付き合い始めたんだね。愛媛の同級生や川本さんは受身だったけど、美穂子は広沢自らが望んだ人だった。受け入れることが多かった広沢が自ら求めたということは、それだけ本気だったということ。ピュアで爽やかでかわいらしい広沢と美穂子のカップル。
 
・古川と広沢がめちゃくちゃ仲良しそうで、親友同士っぽいの、後に古川が広沢に言ってしまった「もうしんどい、連絡せんとって」を思いだして苦しい。たぶん広沢は美穂子に告白することを古川に明かしていて、古川もそれを応援してたんだよね。こんなに仲よさそうにしていてのになんであんなことを言ってしまったの古川。。後悔しても遅いのが、どうしようもなく遣る瀬無くて、仲が良さそうなのがまだ哀しさを際立たせる。
 
・美穂子「広沢くん真面目じゃない?自分から付き合ってって言ったら、別れちゃいけないって自分に言い聞かせてるみたいな。私もあたり前のように広沢くんと結婚するんだと思ってた。でも、広沢くんが4年生の秋かな。私たち上手くいかなくなったんだよね。」
両親が離婚した理由が父親が働かなくなったからという理由で働かない男性にトラウマを抱えていた美穂子。広沢がおそらく自分の夢を叶えるために、卒業したら就職はしないで、1年間外国を旅したいと考えていたことを受け入れられなかった。就職しなかったら別れると言ってしまった。不安が拭えなかった美穂子。広沢もまさかそんな答えが返ってくるとは思ってなかったけど、優しいから考えるって答えてる。広沢の答えは、行政法人だったのかな。ボランティア、やってみたいことと、就職を結びつけてたのかな。自分のためと美穂子のため。
 
 
・広沢とのことを後悔する美穂子に優しく励ます深瀬。一緒だ。谷原や浅見、村井が立ち直ろうとするときにそばにいて励ましてきた深瀬。美穂子も例外じゃなかった。
 
・広沢が道の駅で送っていたのは、りんごを美穂子へだった。広沢は美穂子のことをちゃんと考えていたんだよね。関係を拗らせててしまったまま残された美穂子のことを思うとまた辛い。美穂子もまたそんな風に一生のお別れをしてしまったことを後悔している。
 
・美穂子が深瀬達に近づいたのは、広沢と最後に一緒にいた人たちから、広沢のことを聞いてみたかったから、最後の一日を楽しく過ごせたか知りたかったから。
 
・広沢の三回忌の後に浅見に広沢の親戚と偽り電話する美穂子。先生3年目の25歳の浅見先生。まだ新人の先生っぽくて、若さや初々しさが残る。眼鏡はまだ黒縁のままなんだね。浅見「僕が酒を飲んでいなければ、運転できたのに…。あの事故以来、お酒は辞めました。あれから一滴も、口にはしていません。」広沢の親族に対して、誠実に答える浅見。広沢がお酒を飲んでいたことは言えないけれど、自分が飲んでいなければと悔やむ浅見に胸が痛い。そして、お酒を辞めたことまで伝えるのも生真面目な浅見っぽい。言葉遣いも丁寧でちゃんとしてる。
 
・浅見からは聞きたい事が聞けなくて、ずっと引っかかっていた美穂子。大阪の母親のそばに行こうと決めた時、やり残した事をやろう思った。「もう一度、あなたたちに話を聞きに行こうって。最後の日にどうしてたのかを聞きたい。今度は直接話すんじゃなくて、偶然知り合ったことにして、さりげなく話を聞き出せないかと思った。その方が広沢くんがどんな友達とどんな付き合いをしていたかよくわかる気がしたから。みんな気さくでいい人達とだった。頑張って充実した人生を送ってるんだな。いい人たちなんだな。そう思えただけで満足できた。この人たちとなら最後の一日を楽しく過ごせたはずだって。」美穂子から見た、深瀬、浅見、谷原、村井の姿。そして美穂子は広沢がよく話していた深瀬と話をしてみたくなった。。知らない間に惹かれていたのかな。映画館や鍵をなくした時の深瀬の人柄に、それが加速して好きになってた。
 
・でも、その気持ちが人殺しの張り紙を見つけたことで一瞬で曇ってしまう。。美穂子は、もしかしたら広沢のことではないかと疑い、告発文を見たら、何て言うのか知りたかったから自分宛に送って深瀬から聞こうとした。深瀬「ウソをついてごまかすなんてできなかった。本当に好きな人にウソはつきたくなくて…。」深瀬の真っ直ぐな気持ちもわかるから切ない。。
 
・広沢の飲酒や旅行の時の事実を知り、許せなくなった美穂子。だから他の3人にも告発文を送った。
美穂子「思い出してほしいと思った。みんな何をしたのか忘れて暮らしてる。お酒を飲んでた広沢くんに運転を押し付けて、それを警察にもご両親にも隠して、なのに、何もなかったかのように振る舞ってる。」
深瀬「誰も忘れてなんかないよ!」
美穂子「でも谷原くんは!」
深瀬「何があったの?」
机を叩いてコーヒーカップが落ちてしまうほど、美穂子にとって許せなかった出来事。。
 
・深瀬にモノローグ「謝れば許してもらえると、どこか甘く考えていなかったか。過ちは消えない。いつか何倍にもなって身の回りに、返ってくる。」
 
・駅のホームで話をする谷原と美穂子。お酒を飲んでいるのに、送ってくよと軽く言ってしまう谷原。引っかかった美穂子は10年前事故があったって聞いたと、話を聞き出そうとする。一瞬固まる谷原だけど、美穂子が何者か知らないからいつものお調子者な感じで軽く返しちゃう。「あぁ…あの時はほら、免許持ってなかったからわかんなかったんだけどさ、こんぐらい飲んでても全然いけると思うんだよね。要は反射神経?ま、運が悪かったってことかな。」 
谷原は本当に誤解されやすい人。お調子者で強がってごまかしてしまう。だけど、谷原は谷原で後悔して、傷ついていた。7話の深瀬とキャッチボールする前のシーン。谷原「俺、広沢とはきっとジジイになっても一緒にに遊んでいると思ってたよ。でも突然途切れたんだよ。俺らのせいで。受け止めらんねぇだろ。なんであの時、なんで俺って。だから自分に言い聞かせたんだ。広沢も俺らも、ただ運が悪かっただけだって。そうでもしなきゃ、耐えられなかった。」谷原は谷原で広沢のことを受け止められず、運が悪かったと言い聞かせなければ、耐えられなかった。谷原が前を向いて生きていくためには、そうやって自分を納得させなければいけなかった。でもそれは美穂子には伝わらない。ただ、運が悪かったで片付けられてしまった美穂子は、まさかそんな人だと思わなかっただろうから愕然とした。だから、車で帰ろうと腕を取ろうとした谷原の手を振り払ってしまい、転落してしまった。事の成り行きはこうだった。谷原も、相方が悪かったし、ごまかさずに話していたら、こんな事にはならなかったかもしれないけど、谷原はきっとこういう人なんだろうな。悲しい誤解。
 
・美穂子「あなたにとってはその程度のことなの?私はにとってはそうじゃないのに。落ち着け、落ち着けって頭の中で唱えてた。死ぬかもしれないと思った。怖くて。」
深瀬「それは俺たちと同じ。広沢に同じことをした。どうすれば許してもらえる?」
美穂子「あなたは私のことを許せる?だまして近づいて、人殺しだって責めて、谷原くんにひどいことをして、広沢くんのためじゃない。全部自分のため。自分の気持ちを晴らすために、やったの。」
深瀬「それで気は済んだ?済むはずないよね?」
美穂子「自分がしたこと、警察に話そうと思ってる。」
深瀬「警察…」
美穂子「今までだましていて、すいませんでした。」 
絞り出すように話す美穂子が切ない。泣きそうになるのを必死にこらえる美穂子。恵梨香ちゃんよ迫真のお芝居すごい。それで気は済んだ?済むはずないよね?って返す深瀬も、美穂子の気持ちをわかっていて男前でかっこいい。ドキッとした。
 
・去っていく美穂子を追いかける深瀬。
深瀬「待って!待って!!全部、嘘だった?ホントのこと1つもなかった?」
美穂子「全部嘘。」
深瀬「全部?」
美穂子「全部嘘!!あなたのこと好きでもなんでもなかった。」
美穂子はタクシーに乗り込んで行ってしまう。
深瀬「聞きたいことがあるんだ。まだ半分しか話せていない。もっと話が聞きたいんだよ!」
必死に訴える深瀬。それを振り払うようにタクシーに乗り去っていく美穂子だけど、タクシーの中で号泣。。もう美穂子、深瀬のこと好きじゃん!!でも、許せない性格の美穂子は自分のことも許せないのかな。好きなのに別れる選択をする美穂子つらい。深瀬も必死に美穂子を引き止めようとする姿が泣ける。でも深瀬だから引き止め方もスマートじゃなくて、優しさと不器用さが表れていて、さすがだった。
 
・深瀬モノローグ「彼女とは運命の出会いをしたと思っていた。一生幸せにする。泣かせたりしない。彼女のためなら、どんなことでも乗り越える。本当に、あきれるくらい俺は、馬鹿だった。」
 
・深瀬も美穂子もお互い思い合っているのに、その気持ちだけで幸せになることができない。純粋に好きな気持ちだけでは結ばれない。。Destinyの歌詞が響く。「夢みていた未来たちと ちがう景色を見て ちがう人を愛した それでもまだ運命を信じてる」美穂子にとっての運命の人…。
 
 
・深瀬と小笠原が電話中、小笠原が何者かによって刺されてしまう。去っていく犯人のバイクのナンバー30。てんとう虫のキーホルダーを連想させる数字。。小笠原を刺した犯人は誰?告発文を送った美穂子以外にまだ脅迫してくる犯人がいる。
 
・深瀬モノローグ「謝れば許してもらえると、どこか甘く考えていなかったか。許されて元の日常戻れると、そう思っていなかったか。過ちは消えない。いつか何倍にもなって、身の回りに返ってくる。」
 
・広沢の死の真相、窃盗事件との絡み、脅迫メールと小笠原を刺した犯人。広沢は何をしようとしていたのか、どんな人物だったのか。10年前の事件前後の村井に何があったのかも気になるし、ゼミ仲間4人の未来は…。
 
・谷原と広沢、村井と広沢、それぞれの広沢に対する想いをさらに深く知ることができた7話と8話。谷原もじじいになるまで一緒にいると思ってたぐらい広沢の事を好きだったし、村井も事故現場を見つけた時、助けなきゃ…と泣きそうになるぐらい広沢の事を思っていた。本当の友達だった。もしかしたら、谷原も村井も、深瀬が広沢を親友だと思っていたように、親友だと思っていたのかもしれない。そして浅見。浅見もきっと広沢とのエピソードがあるはず。4話のモノローグで広沢に劣等感を抱いていた浅見だったけど、浅見と広沢はどんな関係だってんだろう。美穂子が返そうとしていた宮本武蔵の本、何かありそう。浅見と広沢のエピソードだけあまり描かれていないけど、どんな風に友情を築いていたのかな。4話冒頭のモノローグで浅見は広沢に劣等感を抱いていたけれど、旅行中にキーホルダーを見ていた広沢を茶化してたら、仲は悪いわけではなかったと思ったんだけどな。
 
・浅見先生は女生徒から社会の先生なのに数学を聞かれていた。「社↑会の先生だよ」の台詞まわしだけで、俺は社会の先生だから数学なんてわかんないよっていうのが伝わってきてかわいい。そして女生徒から慕われるフレンドリーな先生良き。。
 
・浅見の一人称は、深瀬や谷原達友達といる時は「俺」だけど、教師をしている時は「僕」になってて、当たり前だけど、ちゃんとお芝居でも使い分けてるんだなと。